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2021.09.02

**ハナマル**

ある患者さんの退院時の出来事です。


繰り返す誤嚥性肺炎と認知症の影響で、
お口から食べることができません。

お口から食べることができないから、
命をつなぐため、
24時間、持続点滴をします。

身体に栄養は入るけれど、
その日の体調によって、
お口や喉の奥の方まで、
痰がたくさん溜まります。

痰がたくさん溜まると、
苦しくて息が出来ません。
自分で痰を出す機能も衰えていて、
痰が固まって窒息しないように、
肺まで流れて炎症が起きないように、
機械で吸引します。
痛かったり、辛かったりすることが
1日に何回も何回も、あります。

呼吸も弱く浅くて、
身体や血液の中に充分な酸素が行き渡りません。
少しでも、楽な呼吸を促すため、
鼻から酸素吸入を行います。

入院中そうであったように、
退院後ももちろん、
身体中の機能は、
ひとつひとつ、日に日に、
着実に、弱っていきます。


そんな患者さんの自宅退院。

たくさんの支援者が必要となります。

「これから」の
患者さんとその家族をリードし、サポートするのは、

丁寧であたたかく確実な、訪問診療医
なんでも話せて頼れる、訪問看護師
細やかな目配りのできる、訪問介護士
全てにおいて柔軟に対応できる、ケアマネージャーです。


患者さんの「これから・・・」が、
よりよいものであってほしいと願い、
退院する「・・・その瞬間まで」、
東洋病院の
医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、MSW…
すべての職種が、一丸となり、
知恵と力と専門性を出しあいます。


『今回の退院支援は100点だった!』
と胸をはれることは、今回ももちろん、
いままでもないし、
これからもないでしょう。

いつも、
後から後から、
もっとああすればよかった、
こうしておけばよかった、
と反省ばかり思いついてしまう…

ただ、100点でなくても、

退院したその日、
患者さん本人が、

細くかすれた優しい声で、言ってくれた、
細く長く優しい指で、描いてくれた、

『ハナマル。』

私たちは、すこしだけですが、自信を持てました。


かつて学校の先生をしていらしたという、その患者さんが、
私たちにつけてくれたた『ハナマル。』
を胸に刻みます。


また次の患者さんにも、
温かく穏やかであたたかい支援を、
その、飽くなき挑戦を、
続けていきたいと、思っています。

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