~ショートステイ・サービス付き高齢者向け住宅・デイケアでも味わえる、心と体を整える献立~
今日の食卓に広がる、やさしい物語
本日の昼食は、ご飯、熱々のマカロニグラタン、彩り豊かなブロッコリーと人参のドレッシング和え、野菜たっぷりのコンソメスープ、デザートのパイン、そして冷たいお茶。
やさしい味付けと彩りのバランスが、目にも心にも食欲を運んでくれます。病院食というと「味気ない」という印象を持たれがちですが、この献立は家庭的な温かみと栄養バランスの両方が整った一食です。
このお食事は隣接するショートステイ、サービス付き高齢者向け住宅やデイケアでも提供されています。入院中の方だけでなく、在宅生活を送る高齢者や通所利用者様も、同じ美味しさと健康サポートを受けられるのです。
一口ごとに届く、元気のエッセンス
- ご飯:主食として炭水化物を補給し、体と脳のエネルギー源になります。
- マカロニグラタン:チーズとホワイトソースからたんぱく質とカルシウム、マカロニからはさらに炭水化物を。
- ブロッコリーと人参のドレッシング和え:ビタミンC、カロテン、食物繊維を豊富に含み、抗酸化作用や免疫力サポートが期待できます。
- コンソメスープ:野菜のうまみが溶け出したスープで水分とミネラルを補給。消化吸収にも優れ、胃腸への負担を軽減します。
- パイン:爽やかな酸味で口を整え、消化を助ける酵素も含まれます。
東洋医学が教える、食がくれるぬくもり
東洋医学では「脾(ひ)・胃」が消化吸収を司り、全身のエネルギー「気」と血を生み出すとされます。
- 温かいグラタンやスープは 脾胃を温め、消化を助ける働きがあります。
- 緑のブロッコリーは「木」の要素を持ち、気の巡りを整え、肝の働きをサポート。
- 人参の橙色は「土」の要素を補い、脾をさらに強めます。
- パインの酸味は「肝」の気を緩め、心地よいリラックスを与えてくれます。
入院患者様だけでなく、ショートステイ・サービス付き高齢者向け住宅・デイケアの利用者様にとっても、胃腸にやさしく、かつ気血の巡りを整えるメニュー は、毎日の活力を支える大切な柱です。
東洋医学の豆知識:「五味」のバランスで健康に
東洋医学では、食材の味は「酸・苦・甘・辛・鹹(かん=塩辛い味)」の5つに分類され、それぞれが臓腑や体の働きに関わると考えられています。
- 酸味(パイン)→ 肝を養い、疲れを癒やす
- 苦味(ブロッコリー)→ 夏のほてりを鎮める
- 甘味(ご飯・マカロニ)→ 脾を養い、エネルギー補給
- 辛味(今回は控えめ)→ 血行を促す
- 鹹味(調味の塩分)→ 水分代謝を助ける
今日の献立も、この五味のいくつかが自然に組み合わさり、体のバランスを整える一皿になっています。
食事がもたらす、心と眠りのやすらぎ
毎日の食事は、体を養うだけでなく、心を整える大切な時間です。 温かい料理や彩りあるお皿が並ぶ食卓に向かうと、人は自然と表情がやわらぎ、安心感が広がります。
暑い日が続くこの季節、眠りが浅くなったり心が落ち着かないと感じる方もおられるでしょう。 そんな時こそ、温かく彩り豊かな食事が、心の緊張をほぐし、深い呼吸や落ち着いた眠りへと導いてくれます。
さらに、食前に「いただきます」と感謝の言葉を口にすることで、食材の命が自分の命へと受け継がれることを自然に意識でき、そのひとときはより豊かな時間になります。
この一皿が、あなたの明日を照らす
暑い日が続きます。どうぞ体をいたわりながら、日々の食事を大切にしてください。 私たちがご提供する病院食は、入院患者様はもちろん、施設をご利用の皆様にとっても、毎日の元気と笑顔を支える大切な一皿です。
【注釈】
各個人様にお出しするお食事は、体の状態や医師の指示により内容が変更される場合がございます。あらかじめご了承ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療に代わるものではありません。症状や治療については必ず主治医にご相談ください。