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2026.01.05

東洋病院 今日の献立 第20回

病院食で感じるお正月~新年の始まりを彩る「おせち膳」のご紹介~

やさしい味付けと彩りのバランスが、目にも心にも食欲を運んでくれます。病院食というと「味気ない」という印象を持たれがちですが、当院の献立は家庭的な温かみと栄養バランスの両方が整った一食です。
このお食事は隣接するサービス付き高齢者向け住宅、ショートステイやデイケアでも提供されています。入院中の方だけでなく、在宅生活を送る高齢者や通所利用者様も、同じ美味しさと健康サポートを受けられるのです。

皆様、新年あけましておめでとうございます。 新しい年を迎え、病院内もどこか清々しい空気に包まれているように感じます。

 

本日は、病院の厨房スタッフが心を込めてご用意した、特別なお正月メニューをご紹介します。 入院中の患者様にも、少しでもお正月気分を味わっていただき、明るい気持ちで一年をスタートしていただければ幸いです。

今日の献立の説明

本日のお食事は、お正月ならではの華やかな「おせち料理」を中心とした献立です。 お盆の上には、目にも鮮やかな彩りが並びました。

まず、主食はふっくらと炊き上げた「ご飯」です。 そして、お正月の主役である「おせちの盛り合わせ」をご用意しました。 黄金色が美しい「伊達巻」に、子孫繁栄の願いが込められた「数の子」。 すくすくと真っ直ぐ伸びる「筍(たけのこ)」に、春の訪れを感じさせる香りの良い「ふき」。 さらに、愛らしい花の形に飾り切りされた「花人参」が、お皿の上を華やかに彩っています。

副菜には、鮮やかなオレンジ色が食欲をそそる「サーモン」と、宝石のように輝く「いくら」を添えました。 親子で盛り付けられたこの一皿は、見ているだけで心が弾むようです。

汁物は、お出汁の香りが優しい「すまし汁」。 そして、お食事の最後には、甘味として「さつまいもの甘露煮」をご用意しました。 ほっくりとした甘さが、食事の締めくくりに安らぎを与えてくれます。

全体を通して、赤、黄、緑と彩り豊かで、お祝いの日にふさわしい、特別感あふれる献立となっております。

今日の献立で体が健康になります

今回のおせち料理には、美味しさだけでなく、体を元気にする栄養もたくさん詰まっています。

まず注目したいのは、副菜の「サーモン」と「いくら」です。 鮭の身の鮮やかな赤色は、「アスタキサンチン」という成分によるものです。 これには、体のサビつきを防ぐとされる強い力があり、若々しさを保つ手助けをしてくれると言われています。 また、良質なタンパク質も豊富ですので、私たちの筋肉や血液を作る大切な材料になります。

そして、おせち料理に使われている「筍(たけのこ)」や「ふき」、「人参」といった野菜類。 これらには、お腹の調子を整える食物繊維が含まれています。 お正月は運動不足になりがちで、お腹の動きもゆっくりになりやすい時期です。 野菜の繊維質をしっかり摂ることで、体の中からスッキリと整えていくことができます。

さらに、「伊達巻」に使われている卵には、体に必要な栄養素がバランスよく含まれています。 甘い味付けでエネルギー補給にもなりますので、体力が落ちている時にも嬉しい一品です。 また、「さつまいもの甘露煮」も、加熱調理後でも一定量のビタミンCを補うことができる嬉しい食材です。 冬の乾燥した時期、風邪に負けない体づくりをサポートしてくれるでしょう。

美味しいだけでなく、それぞれの食材が持つ力が、皆様の回復を後押ししてくれるはずです。

医師としての見解

ここからは、少し医師の視点でお話しさせていただきます。 東洋医学の伝統的な思想に基づき、日本で生まれた「医食同源(いしょくどうげん)」という言葉をご存じでしょうか。 これは、「病気を治すのも、食事をするのも、健康を保つという意味では源は同じ」という考え方です。

冬という季節は、寒さで体が縮こまり、エネルギーを内側に溜め込もうとする時期です。 このような時期には、体調に合わせて食材を選ぶことが大切だと考えられています。

例えば、今回のおせち料理に使われている「人参」などの一部の根菜類には、体を内側から温める性質があると言われています。 また、鮭のような赤い色の食材は、薬膳の考え方では「血(けつ)」を補い、体の巡りを助ける力があるとされています。 寒い冬にこれらを食べることは、理にかなった養生法と言えるでしょう。

また、おせち料理の一つひとつには、古くからの「願い」が込められています。 たとえば、「伊達巻」はその形が巻物に似ていることから、知識が増えるようにという願いがあります。 「数の子」はたくさんの卵があることから、子孫繁栄の象徴です。 「筍」は天に向かって伸びる様子から、立身出世や健やかな成長を意味します。

「これはどんな意味があるのかな?」と考えながら食べることは、脳への良い刺激になります。 そして何より、「縁起が良いものを食べている」という前向きな気持ちは、免疫力を高めるスイッチを押してくれるものです。 心と体はつながっています。 お正月の行事食を楽しむ心のゆとりが、治療の効果をより高めてくれると私は信じています。

ご高齢の方へのメッセージ

寒い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 冬はお部屋の中にいても、手足が冷えやすく感じるものです。 お食事の前には、温かいおしぼりで手を拭いたり、軽く深呼吸をしたりして、体をリラックスさせてから召し上がってください。

ご高齢の方に気をつけていただきたいのが、「噛むこと」と「飲み込むこと」です。 おせち料理の食材には、筍やふきなど、繊維がしっかりしているものも含まれています。 また、お餅やお団子ではありませんが、伊達巻やさつまいもなどは、口の中の水分を吸いやすい食材でもあります。 慌てずに、一口ずつゆっくりと噛んで、味わってください。 よく噛むことで唾液がたくさん出て、消化も良くなりますし、飲み込みもスムーズになります。 時折、すまし汁やお茶で口の中を潤しながら召し上がると、より安全に、美味しくいただけます。

もし、「少し量が多いな」と感じたり、「硬くて食べにくいな」と思ったりした時は、無理をなさらないでください。 全部食べることよりも、美味しく味わえる範囲で楽しむことが、一番の栄養になります。

また、お正月は生活リズムが変わりやすい時期です。 「お腹が空かないな」と感じることもあるかもしれません。 そんな時は、季節の彩りを目で楽しむだけでも十分です。 「綺麗だな」「お正月だな」と感じる心が、生きる活力につながります。

締めくくり

新しい年が、皆様にとって希望に満ちた明るい一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。 まだまだ寒さが厳しい季節ですので、どうか温かくしてお過ごしください。

この「おせち膳」が、皆様の体と心を温め、一日も早い回復への一助となれば幸いです。 本年も、私たちスタッフ一同、皆様の健康を全力でサポートさせていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。

【注釈】

※各個人様にお出しするお食事は、体の状態や医師の指示により内容が変更される場合がございます。あらかじめご了承ください。

※本記事は一般的なお話であり、個々の診断や治療に代わるものではありません。食事制限や気になる症状がある場合は、必ず主治医や担当スタッフにご相談ください。

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